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2013年08月13日
大好きなホテルの写真 ロバート・ミラー
 もう何回見ただろう。分厚い、ホテルが沢山載っている写真集を13年前ある方に見せて頂いた。衝撃。そこには一流の写真家が撮影したホテルの様々な顔、個性ある空間、優雅な景色に包まれた佇まい、そしてそれらを描き出す神業Lighting。
 井の中の蛙。何度も何度もテストを繰り返しても行き着かない世界。ポジフィルムの時代に多灯Lightingでライトはすべて隠され、その光がある種の柔らかさを持っており、その光の行く先は私の常識を越えて遠くに、的確にまた十分な光量を保ったまま描き出されていた。もうページもビリビリになってきたその本は私の広告撮影の聖書。日本ではNacasa & Partnersさんが近い撮影をされておられます。そら竣工写真は絶対ここにオーダーするよな、と上手さとその技には尊敬を隠せません。
 ただ私はブライダルの世界での広告を撮り続けています。
 無人の空間を撮るにしてもブライダル用に変換をして撮影をします。ロバートミラーさんの教えてくれた多灯Lightingとそれを収束させて遠くに飛ばす技術、配置は交叉、Skippingであり、そしてその光は強くて優しい。あの頃何度やっても出来なかったことが、今は少し、理解でき、自分の使える力の一つになっています。
 光は変換をする。
 ロバートミラーさんは当然会ったことはありません。師事していました!ならカッコいいのですが、私は目の前の本から学びました。光のことに関して人生を変えたのがこの時からです。光はそれを使う人により輝きもすれば、無意味にもなります。世界の広さ、自分の知らない世界に打ちひしがれるのも私ですが、私の頭の中は自由に広がっています。固定概念に囚われず、更に新技を編み出し、他では表現できないものを鮮やかに描きたいんです。ミラーさんのように。


Robert Miller pictures