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2014年02月02日
ブライダル広告撮影のライティング
 私の撮影は多くのライトを使います。過去何度か紹介をしているようにこれといった決まりや、いつも使うライトとも決めていません。以前ブログに書いてある様に調和を意識し、奥から手前に向かってライティングのイメージを作っていきます。手前が明るく、奥が暗いライティングはしません。理由は暗く見えるからです。
 
 露光差は大体が一絞りから二絞り半くらいに抑えていますが、基本明るく見せるために白飛びを残す事も多く、HDRのような描写はあまり好みません。
 デジタルになり部分調整がやり易くなった反面、光の質感が上手く表現出来にくくなったことも事実です。露光差は出来るだけ残すようにイメージを作ることが大事な要素になっています。
 
 アングルを決めた後、私の頭の中でライティングをイメージします。窓向きに撮影をする場合室内光を消して見れば暗い中にどう光を入れればいいのかを見ます。
 窓がない会場であればBackgroundに一灯だけ入れて同じく室内光を消してテストを取り、イメージを作ればいいんです。
 
 今回の話のコアはここにあります。
 
 ライティングとは暗い所に光を作ることです。素晴らしい方程式です。明るい豊富な光の中でライティングをイメージすることはとても難しいことです。モデルにレンブラントでハイライトを入れる、そんなライティングは対象と角度が決まっているため比較的イメージは作りやすく、会場の撮影では対象が大きく、複雑であるため暗闇からのイメージがライティングを優しくします。
 
 そういえば昔結婚式の記念写真を撮影する時、アシスタントが3灯のタングステンを一気に点灯し、何度も説明をしていた記憶があります。複数の光は一つ一つのライトの役割を曖昧にし、ひどい場合はライト同志の干渉していることに気付きません。私の方程式は光の当て方にあるのではなく、光の組み立て方にあります。
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HARMONIE H