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2014年10月20日
Monterey京都様 広告撮影
クライアントが見せてくれたipadにはたくさんの過去に撮影されたデータが。
 
私のオフィスから近いのだが、私には足を踏み入れるのも初めてだった。Monterey Groupの撮影は多いのだが京都のオフィス街にある7年前に建ったこのホテルはなかなか撮影の機会はなかった。
私達カメラマンはカメラを使い、見た目と異なるものを作る事が出来る。レンズのミリ数を変化させることによる変化と、露出を使うことによる明るさの変化が大きなもので、そこから様々なもの、技術を加える事で一枚の写真を作っていく。ヨーロピアンテイストを基調としたこのホテルはアイボリー系の優しい壁色と黒の大理石をふんだんに使った重厚な色で構成され、バンケットは明るい外光の降り注ぐバンケットと、広くアイボリーと黒で構成されたThe Montereyとも言える非日常空間。私は後者の空間の方が好みだった。理由は他にないからである。他にはない強味。
 
以前撮影されたたくさんのカメラマンもここで何を考えたのだろう。
私のイメージはストロボで撮影することで完成していたが、私は撮影をタングステンですることにした。理由は自然な暗さを狙うためだった。室内照明と同系統の色でハイライトを入れていき、その光量を低く収めることで全体をやや明るく感じるようにイメージした。
 
今回の話のコアはここにあります。
この仕事の醍醐味は狙うポイントが変化することです。明るい、暗いでさえ人の感覚はマチマチです。カメラマンはイメージで無段階の答えの中から一つの結論を出します。特に私にはその傾向が強いのですが自分の好きに撮影をすることはなく、客を呼べる誌面のための写真、人が行きたい、と思ってくれる写真を撮ろうとします。自分が撮りたい写真の優先順位は遥かに下です。
そしてまた、自分の描いた結果である写真は誌面に出てどんな働きをしてくるのでしょうか。何カ月後かに現れる効果を不安ではなく、心待ちに期待できるように、私はまたイメージトレーニングを繰り返します。

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Hotel Monterey Kyoto
 direction:Lei wedinng kyoto_shiga / styling:Atelier 78