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2013年09月19日
撮影の集中力は何から?
 よく言われます。よく集中力持ちますねー。疲れないんですか?ブライダルスナップをしていた頃は3件を一日で撮影していたこともよくありました。その時思っていたのは二つ。淡々と撮ることと3件で一番クオリティを上げていこう、という二点でした。
 淡々と撮る、ということは気負わないということです。緊張感はMAXのままですがそれはなくしてはいけません。スタッフに叱る場合はこういう時に厳しく叱ります。ミスが出たことに叱るのではなく、ミスを引き起こす緩みが仕事にはやってはならないことなんです。コミュニケーションとおしゃべりは根本的に違い、それぞれの結果には歴然な差を生じます。
 気負わないことの意味はプレッシャーをかけ過ぎないことにあります。その負荷は身体を硬化させ、頭を硬化させていきます。すぐ怒鳴る上司を前にした時と同様で適正な動きと判断がままならなくなります。最後にクオリティを上げようとする意志は言い訳をしたくなる心を抑えます。しんどい、嫌だ、帰りたい。
 ゴール地点に自分の集中力をピークに持ってくることで落ち込みはなくなって行きます。
 私は撮影の朝はあまり話せません。気持ちを穏やかに保ちたいからです。現場に入り、一日の流れを確認した後は頭の中は被写体にしか集中していません。電話もどこかに置いて出ません。撮影に関わること以外の話も殆ど聞いていません。
 不安定な動きをしたスタッフにも3秒くらい叱って終わりです。怒っている時間に集中力は途切れます。
 ではその集中力は何から来るのですか、。幾つかある中で大きな要素は三つ。
 後で後悔したくない。もっと頑張れた、もっとこうすれば良かった、次回こそは、そんな気持ちで撮影を終えていた私の気持ちをクライアントが知ればどれほど落胆するのか。
 二つ目は評価です。評価は長い歴史により築き上げられます。崩れ去るのは一瞬です。それが分かっているから、たくさんの方々に支えられての今の仕事の有り難さを知っているから集中力を保てます。
 三つ目は、体力です。技は力の中にあります。撮影をシンドイというカメラマンもいますが、しんどいのであれば体力を作ればいいんです。生活を守る仕事を大切に思うのであれば、負けない体力を保たなくてはなりません。
 いい腕を持っていても全部発揮出来なければ、いい腕を持たないのと同じです。
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SEASIDE RIVIERA