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2014年06月01日
カメラマンだらけの時代
ここにも、あそこにも、カメラマンがいる。土日には男女問わず大きなカメラを下げ走り回る姿。東京の友人が勤めるスタジオにも若く先々のし上がろうとするカメラマンのタマゴ。街に出れば風景を撮り、食事に行けば料理を撮り、日本全国一体どれほどカメラマンがいるのか、きっと想像を遥かに越える数なのだろうと思う。
 
ゼクシィの雑誌を先日撮影に行った現場で見ていた。クライアントが関東、関西、甲信越、東海とたくさんの誌面の中から撮って行きたいイメージに近いものを提示してくれていた。自分が撮影をしているのも多いが、それの何倍もの掲載ページがあり、1枚1枚撮影をしているカメラマンがいるはずで、それを考えて行くと恐ろしい数となる。
 
差はどこにあるのだろうか。この限られた分野でさえこの状況で、それぞれの分野には一体何人のカメラマン、写真家が存在しているのだろうか。
そう辿って行けば今の自分を、自分の立場、座標を考え出すことになる。私は自分が上手いと思えない。上には上が必ずいることを知っている。だから実際毎日もがいている。頭がパニック状態を長く続けているとある日一つの答えに行き着くことがある。そうすると次々解けていくものが生まれる。それと同時期にまた新しい課題、壁が生まれる。その時にいつも頼りにするものがある。
 
自分の得意なものが一つ。二つあればもっといい。三つあればさらに素晴らしい。私の得意なものはスローシャッターとライティングと聞く耳である。
 
今回の話しのコアはここにあります。
カメラマンだらけの時代だからこそ負けないようにしなければならない。
まず得意なものを一つ。それだけは自信があると胸を張って言えるくらいのもの。
自信となり、また次への探究心となる。私の会社のスタッフは新人教育でブライダルの和装の型付けを入社一週間で二分を切るようにひたすら練習をさせる。簡単なものは訓練の時間が短く、苦しむ量が足りない。難しいものを反復練習で身につけた時、自信が生まれる。また欲も生まれる。
過去の財産で写真を撮っていても一線で活躍できる時間は短い。だから練習をしなければならないし、満足している自分がいたならもう終わりです。
 
私の尊敬する東京の写真家は 「失敗と成功の狭間 」と表現されました。
撮影前、中、後全てに共通する言葉です。
溢れかえるカメラマンの中で私は差を作りたいと思っています。
おそらく、みんなそう思っているから差は開かないかもしれません。でも、一生懸命であること。よく、天才になりたい、と思いますが歩くことと同じで一歩ずつしか進めないものなんですね。
 
三年後、三年前の自分の写真を見て成長した、と思えるように。

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桜苑_<太閤園>
direction: Lei wedding / styling: Atelier 78